株式の引受価格を限度とする有限の間接責任を負う株主だけからなる会社です。
株式会社の社員(出資者)を株主といいますが、株主の責任は有限責任であり、会社債権者に対する関係では、間接責任です。
つまり会社に出資した財産は会社の財産になり、それが会社債権者の担保となるという意味で間接有限責任を負います。
また株式会社の設立手続きについては、会社法施行により大幅に規制が緩和され、以前より格段に設立しやすくなりました。
第1の緩和点としては、最低資本金制度が無くなった事です。平成15年度には、一定の要件を満たせば資本金1円でも会社を設立出来る制度が施行されました。(ただし、業種によっては、業法などで最低資本金の額が規定されている場合があります。)
その場合でも設立から5年以内に資本金を1000万円にしなくてはいけないという規則があり、結局は資本金1000万円が必要となります。
しかし会社法施行により、最低資本金制度が完全に撤廃され資本金1円でも設立する事が出来るようになりました。
第2の緩和点としては、類似商号の規制が撤廃された事です。以前はある商号が既に登記されている場合には、同一市区町村内で同一の営業内容では、同一の商号を登記することは出来ませんでした。
そのため設立前に法務局に行って、類似商号がないか調査する必要がありました。この調査に手間や時間がかかっていました。
しかし会社法施行により、同一市区町村に既に登記された商号(同一住所に登記された商号は除く)と同じ商号を登記することが可能となりました。
第3の緩和点としては、出資金の払込みを証明する銀行等の払込金保管証明書が不要になった事です。
従前は払込みを証明するために、銀行等による払込金保管証明書の交付を受ける必要がありましたが、銀行は、払込金保管証明をしたがらない傾向がありました。
また証明をしてくれる銀行が見つかっても、払込金保管証明書の交付を受けるまで数日間要していました。
しかし会社法施行により、振込まれた資本金が記載された銀行の通帳等のコピーで可能となりました。そのため以前のように、設立の日まで払い込まれた金銭が、使用出来ないというような不便も無くなりました。
これらの新しい制度によって、株式会社を早く、簡単に、設立する事が出来るようになりました。